3 Nov 2016, Thu 東京都下水道計画2016に関して
2016年11月4日
2016年11月6日
以前、地下の巨大な雨水貯留施設の報道を見て、少し気になっていたので考えて見ました。
東京湾の水質問題の原因の一つに合流式下水道があります。汚水と雨水が一緒に処理場に流れ込む合流式では、大雨が降ると処理が間に合わず河川や海に汚水混じりの雨水がら流れ出てしまいます。東京都下水道 事業経営計画2016では合流式下水道の改善として雨水貯留施設の整備を進めるとしていますが、私はこの計画には問題いがあると思います。
その理由の一つは建設と特に維持管理にかかる費用です。今、過去の老朽化したインフラの修復が求められていて、そのコストは今後新たにインフラを整備しなくても維持管理と更新のために倍増すると予測されています(国交相「国土の長期展望」中間取りまとめ 2011年2月)。そのような状況下で新たに維持管理費が高いと思われる施設を増設することは望ましいとは思えません。

そして安全性にも問題があると思います。トンネルの天井が崩落した事故を思い起こせば、作られた時は安全でも、それが将来に渡って保証されるとは限らないと言えます。一般の人の目に触れることなく、地下に巨大な不安定な施設があることは人々の安全を脅かすことになります。
以上より、合流式下水道の問題の短期的解決策として雨水の地下貯留施設の建設には反対です。下水処理場の放流口を東京湾の沖に移動する方が建設費と維持管理費を削減し、将来に負の遺産を残さずにすむと思います。
また、長期的な視野に立てば、例え今は用地の確保が難しいとしても、今後の人口減少社会を考慮し、用地確保を徐々に進めて自然再生を伴うグリーンインフラとして調整池の整備に進むことが望ましいと考えます。